🇭🇳 Yukoの中米ホンジュラス協力隊日記:任地の生活~古きよきラテンアメリカ


 私の青年海外協力隊(環境教育)の任地のホンジュラス共和国🇭🇳エルパライソ県グイノペ市の生活について紹介します。日本語に訳すと市という表現になりますが、規模や雰囲気は町といった印象です。 

 標高約1,200mで年間通じて爽やかな気候でコーヒー栽培が盛んです。2017年の資料によると、約200.6㎢の土地に約8,600人が住んでいます。首都テグシガルパから車で1時間半ほどと比較的近いこともあり、感染症問題以前は、毎日首都に通勤通学する人も少なくありません。同様に、首都から通勤してくる人もいます。

 市内には色々な動物が人間と同じように歩いています。ペットを飼う理由は、ガードとしての犬、鼠を捕ってくれる猫、たまに兎(田舎の方では食べるらしい)に加え、家畜として牛や豚、卵をとったり野菜くずなど残飯を食べてくれる鶏、理由は分かりませんがガチョウ、薪や収穫したコーヒーを運搬するためのロバなど本当に沢山の動物に遭遇します。

 写真のようなカウボーイハットの男性が馬でさっと通り過ぎる姿は「ラテンアメリカっぽい~」といつも思います。山間の町なので、車よりもバイク、バイクでも通りにくい道が悪いところは馬が便利だそうで、自動車税もかからないので経済的で、排気ガスも出ず環境に優しい移動手段です。

 こちらは伝統的な家です。基本的には暑いところなので風通しが良いつくりです。軒下に沢山の薪が積んであります。今は多くの家庭に電気コンロかガスコンロがありますが、伝統的な薪を使った窯も併用している家庭が多いです。停電やガスが切れたときも料理が出来るので、お母さん達はいつも家事に励んでいます。電気やガスがあると、無い時のことを憂うが、そもそも無ければ考える必要もない、この気づきはグイノペ市で生活してみて得られました。そして、かまどで焼いたトルティーヤ(トウモロコシの粉の薄いパン)は美味しいです。

 問題もあります。農業が主要産業であり、土地の所有や管理が明確でないまま山をどんどん開墾して畑にしてしまうので、水資源が脅かされています。グイノペには水源林があり年中水が枯れることはありませんが、昨今の気候変動の影響か雨季の降水量が少ないと住民は言っていますので、木が減ることは見過ごすことができません。また、同地区は中米を縦断する生物回廊に属しており、野生動物の住処となっていますが、こちらも危機に直面しています。この地域の森林保全持続可能な地域開発のためのJICA技術協力プロジェクト「ラ・ウニオン生物回廊プロジェクト」が実施されています。(現在は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で日本から遠隔で活動中)

 中南米最貧国の一つと言われるホンジュラスですが、大きな都市もあり、アメリカ合衆国から物資が輸入されるため、日本食なども手に入ります。一方で、ホンジュラスの大部分の地域は、グイノペのような開発の遅れた地域が多いと感じます。徐々に発展していく中南米のなかで、伝統的な生活を知ることができる貴重なグイノペの町です。

執筆:横田 裕子

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