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OxForest.jp
OxForest.jpは2020年9月にスタートした、グローバルな課題(地球環境と持続可能な開発) を中心に、旅や留学、言語学習などの海外情報(GO GLOBAL)を発信するWEBマガジンです。地球規模の喫緊の課題である森林減少・生物多様性・気候変動・水資源・食糧危機、SDGs(持続可能な開発目標:貧困・飢餓撲滅・保健と福祉・教育・ジェンダー平等・格差是正・技術革新・平和構築)を身近に感じてもらうため、専門的な内容だけでなく普段の暮らしに関わる情報(生活に身近なエコ、フェアトレード、アウトドアなど)の発信を心がけています。また、これらの課題を解決するためにこれから海外で活動したい日本人(青年海外協力隊やNGOボランティア、ソーシャルビジネス:社会起業家などで)へ有益な情報(キャリア形成、留学や旅の心得、言語学習など)を提供し、発信者と読者間で相互の経験の共有を目的としています。
オックスフォレストWEBマガジン日本語版はhttps://oxforest.jp、英語/国際版はhttps://oxforest.orgで展開しています。
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オックスフォレストの名称・ロゴの由来
英語で牛を意味するOx、森を意味するForestを掛けた造語「牛の森」です。単なる畜産動物として認識されがちな牛たちが、大自然の森の中で自由に駆け回っているイメージで名付けました。世界の森林減少の抑止と、アニマルウェルフェア(動物福祉)の発展を願っています。
バーナーのロゴはアフリカ大陸に広く自生するバオバブの木をモチーフにデザインしています。バオバブの巨樹が多く見られる東アフリカのサバンナではマサイ族が牛を大切にし、牛とともに生きる「牛牧民」として知られています。

一方の東南アジアでは「森の牛」という言葉が実際に存在し、クメール語ではKouprey[1](英訳はForest Ox)と呼ばれ、かつてはカンボジアのほか、ラオス、ベトナム、タイの森林地帯に分布していましたが、密猟と生息地である森林の減少により現在ではカンボジアに約250頭が生息するか、絶滅状態にあるとされています。1996年以来、IUCNのレッドリストに絶滅寸前種(Critically Endangered)[2] として登録されています。


ただでさえ畜産動物として扱われ、悲惨な一生を送る牛たち。野生動物であるはずの「森の牛」も人間活動によって今や絶滅の危機に追いやられています。プリンストン大学のピーター・シンガー教授は1975年の著書『動物の解放』(Animal Liberation)[3] の中で、動物の権利を訴え、種差別を止めるよう提唱しています。また、2014年に発行された世界的な大ベストセラー『サピエンス全史』(Sapiens: A Brief History of Humankind)[4] の著者であるユヴァル・ノア・ハラリ博士も英ガーディアン紙の寄稿『工業型農業は歴史上、最悪の犯罪のひとつである』[5]の中で、「工業的に飼育されている動物たちの運命は、我々の時代における最も逼迫した倫理上の問題のひとつである」と述べています。

エリック・シュローサーの著書『ファストフードが世界を食いつくす』(Fast Food Nation)が原作で、2006年に公開されたアメリカ映画『ファーストフード・ネイション』は日本でも話題になりました。アヴリル・ラヴィーンが演じた学生運動家アリスの行動には驚かされましたよね。最近では欧米諸国を中心としたベジタリアン運動を発端に、Beyond MeatやImpossible Foods、JUSTといったアメリカの先進企業が植物由来の代替ミートや卵の開発に取り組んでいます。現代社会において肉食を完全に止めることは難しいでしょうが、消費量を減らすことは森林破壊や気候変動のこれ以上の悪化を抑制し、アニマルウェルフェア(動物福祉)に貢献することにつながります。
脚注:
1. Wikipedia: Kouprey
2. Timmins, R.J.; Burton, J. & Hedges, S. (2016). “Bos sauveli”. IUCN Red List of Threatened Species. 2016: e.T2890A46363360.
3. Singer, Peter (1990) [1975]. Animal Liberation, New York Review/Random House.
4. Sapiens: A Brief History of Humankind (London: Harvill Secker, 2014) ISBN 978-006-231-609-7
5. “Industrial farming is one of the worst crimes in history”, Yuval Noah Harari. The Guardin: 25 September 2015