代表者あいさつ

オックスフォレスト発起人/編集責任者
稲川  武


地球環境と持続可能な開発WEBマガジン「オックスフォレスト」をいつもご覧いただきありがとうございます。

 私が当時小学生だった頃の1992年6月、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開かれていた「地球サミット」をニュースで知りました。私と歳の近い、12歳の日系カナダ人セヴァン・スズキさんが子供の環境団体の代表としてサミットに参加、力強いスピーチを各国政府代表者の前で行い「世界を5分間沈黙させた少女」として世界中で有名になりました。サミット開催後には地球上の諸問題を解決するために「持続可能な開発」「森林原則声明」「生物多様性」といった概念が生まれました。あれから30年近く経ちますが、それらの地球規模の課題はほとんど解決されていません。また今日、持続可能な開発目標(SDGs)が日本社会でも注目される中、国内では海外からの関連ニュースがマスメディアでほとんど取り上げられていない状況にあります。地球環境SDGsを専門に扱うWEBメディアも非常に限られていますよね。これでは次の地球規模の課題解決を担う新世代がいなくなってしまいます。

 私自身の原点は幼少期に入団したボーイスカウト運動と、その後のNGO(非政府組織)活動にあり、世界の森林減少気候変動の抑止や持続可能な開発目標(SDGs)の達成のためには市民社会・草の根レベルでの運動が重要だと考えています。アフリカ大陸全土でNGOでの植林活動、民主化や持続可能な開発の推進に取り組み、2004年にノーベル平和賞を受賞した故ワンガリ・マータイ博士やスウェーデン人環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんとその仲間たちFridays For Future(未来のための金曜日)はまさに私の憧れであり、最も尊敬する人物です。私自身がアフリカ南部ナミビアで植林活動をしようと決意したのも、学生時代にワンガリ・マータイ博士の講演を東京で聞いたのがきっかけですし、グレタさんたちの活躍のおかげで、気候変動による危機が世の中に広く知られるようになりましたよね。

 そんな中、これまでの私自身の思いをWordに書き溜めていましたが、将来国際協力を目指す現役学生からキャリア相談を受けたり、新型コロナウイルスの世界的蔓延がきっかけになりオンラインで何か情報発信することができないとかと思い立ちました。そこで2020年9月にこれまで世界各地で一緒に働いてきた世界21国籍(欧州・北米・中南米・アフリカ・アジア)に及ぶ大切な57人の仲間たちを募り、当WEBマガジンをスタートしました。

 オックスフォレストWEBマガジン日本語版はhttps://oxforest.jp、英語/国際版はhttps://oxforest.orgで展開しています。それぞれのサイトでは地球環境(ENVIRONMENT)、持続可能な開発(SUSTAINABLE DEVELOPMENT)とGO GLOBAL(幅広い層に向けた海外情報:旅や留学、言語学習、外国料理のレシピなど)の3つのセクションに分けています。当WEBマガジンOxForest.jpとその名称の由来についてはこちら

当WEBマガジンの発行目的は以下の3点です。

  1. 次世代に地球環境と持続可能な開発のための活動を引き継ぐ
  2. 幅広い層(子供を含む)に関心を持ってもらうため、YouTube動画コンテンツや生活に身近なトピック、環境教育も盛り込み分かりやすい情報発信を行う
  3. 編集部メンバーと読者や関係者間での経験と情報の共有・交流を図り、Win-Winのパートナーシップを構築する

 オックスフォレスト編集部は地球環境持続可能な開発目標(SDGs:貧困・食糧安全保障・保健医療・教育・ジェンダー平等・包摂的な社会など)に貢献する世界クラスの専門家ネットワーク(11名の博士号取得者と8名の博士課程在籍中、1名の医師を含む)の一つです。総勢58名(オックフォレスト.jpおよび.orgメンバー合わせて)の各メンバーは国連(UNDP・UNEP・WFP)・世界銀行・JICA・大学(英オックスフォード・英レディング・米ハーバード・米メリーランド・東京大学)・科学研究機関(CIFOR・NBER)・地方自治体・NGO、そして民間セクター(デロイト、BNPパリバ銀行、起業家など)に所属するそれぞれの分野の主に30代の若手エキスパートです。内3名のアドバイザーから専門的な助言を受け、また現役の青年海外協力隊や大学生の担当記者から現地リポートも行ってもらっています。当初は日本人メンバーだけでスタートしましたが、それだけでは限界があるため、世界中から21国籍の仲間も集めています。アフリカからはマラウイ人もメンバーに加わってもらっています。各メンバーには所属先での業務があるため、記事作成はあくまでボランティア制となっており、非営利目的で掲載されています。

 オックスフォレスト編集部はメンバーの多様性「国籍・人種・民族・宗教、年齢・容姿、障がい、性的指向およびジェンダーアイデンティティ」を尊重・包含します。我々はいかなる偏見や差別を受け入れません。

 また、当WEBマガジンを通じて、編集部メンバーと読者の皆さんとの相互間での活発な情報交換・交流を行いたいと考えています。オックスフォレストWEBマガジンが地球環境と持続可能な開発(SDGs)のための活動を盛り上げる「きっかけの場」になれば幸いです。同時に、当WEBマガジンだけでは情報発信力に限界があるため、関連メディアやNPO団体、ソーシャルビジネス(社会起業家)等との連携も模索しています。

 何か取り上げて欲しいテーマや「こうしたら面白い」といったコメントやアドバイスなどありましたら、編集部までお気軽にお問い合わせください。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

2020年10月

オックスフォレスト発起人/編集責任者
稲川  武
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